コンディショニングの意味とは?【“体調を整える”だけではない】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

コンディショニング【conditioning】という言葉は、一般的にも使われることが増えましたが、本来はどのような意味があるのでしょうか?

本質的な部分を理解できると、よりパフォーマンスアップにつなげられたり、重要性がより理解できると思います。

この記事では、

  • コンディショニングの意味とは
  • コンディショニングトレーニングの内容

などを解説します。

 

コンディショニングとは

一般的に言われるコンディショニングの意味は、以下のような内容になります。

一般的なコンディショニングの意味

以下のような意味でコンディショニングという言葉が使われています。

身体の調子が整う(Good Conditionになる)ことを目的とした運動です。

引用元:一般社団法人 日本コンディショニング協会

①調整。調節。体調や環境などをととのえること。
②〘心〙 条件づけ。

引用元:Weblio

おそらく、一般的には、

コンディショニング=その日の体調、調子

という意味合いで使われていることが多いと思います。

これも適切な意味ではありますが、本質的に見ていくと、もっと別の意味も含まれています。それが、以下のような要素。

コンディショニングの意味

コンディショニングとは、本来以下の表の要素すべてを指しています。

コンディショニングの5つの要素

実は、その日の体調の良し悪しだけを指しているのではなく、

  • 身体的
  • 精神的
  • 防衛的
  • 栄養
  • 休養

これらすべてを含めてコンディショニングという意味があるんですね。

そして、さらに細分化していくと、“身体的”という要素の中には以下の内容も含まれています。

バイオモーターアビリティ

バイオモーターアビリティといって、

  • 筋力
  • 持久力
  • スピード
  • 調整力
  • 柔軟性

という主に5つの柱を軸とした身体的な体力要素があり、

これらすべてを含めた内容がコンディショニング

というわけです。

これら1つ1つの要素については、後程解説しますね。

厚生労働省がHPで記載している内容もわかりやすいので、こちらも参考にしてみてください。

厚生労働省:コンディショニング

コンディショニングとパフォーマンスの関係

ここまでの内容で、少しコンディショニングへの見方が変わってきたと思いますが、コンディショニングはパフォーマンスと大きな関係性もあります。

以下の表をご覧ください。

ピラミッド

これは、スポーツパフォーマンスを向上させる上で欠かせないピラミッドですが、一番下に基礎体力がありますよね。

この基礎体力とは、コンディショニングと同義。

  • 体力
  • 基礎体力
  • コンディショニング

この3つは、全て上記でお伝えした内容を指しており、同じ意味を持っています。

そして、基礎体力の上に「スキル・技術」、さらに上に「戦術・戦略」が乗っていますが、ここからわかる通り、

コンディショニングは、パフォーマンスアップの基礎をなしている

ということ。

土台が大きくなればなるほど、上に積み重なるピラミッドは大きくなり、個人・チームとして強くなり勝利に近づくことができます。

練習だけでは頭打ちが早い

ここで日本のスポーツ現場のことを考えてみると、今でも練習ばかりに励み、基礎体力向上のためのトレーニングをしていない選手・チームは多くあると思います。

練習ばかりする=技術・スキルの向上を図る

ということになりますが、これだと真ん中にあったピラミッドのみを刺激することになります。

そうすると、土台(基礎体力)が小さいため、いくら練習を繰り返したとしてもスキル向上に限界を迎え、どこかで頭打ちしてしまう。

つまり、

スキルアップをするためにも、基礎体力(コンディショニング)向上は必須である

ということが見えてくると思います。

ここでお伝えしたいことは、

練習をするな!

ということではありません。最も大切なことは、

練習とコンディショニングトレーニングを並行する必要がある

ということ。そうすると、しっかりと土台が大きくなりつつスキルも向上する。そして、そこに戦術が組み合わさることで強い個人・チームに近づける。

だからこそ、改めてコンディショニングの意味を再定義し、何をやる必要があるのかを再確認していただくことは非常に重要なことだと思っています。

ここまではコンディショニングの意味・本質について解説しましたが、次は1つ1つの要素の内容やトレーニング方法などを解説していきますね。

 

コンディショニングの内容

先ほどコンディショニングの大枠である、

  1. 身体的
  2. 精神的
  3. 防衛的
  4. 栄養
  5. 休養

5つの柱をお伝えしました。これら1つ1つの要素は、以下のような意味合いがあります。

①身体的

上記で簡単に解説しましたが、身体的とはバイオモーターアビリティのことを指しています。

バイオモーターアビリティ

わかりやすい言葉で表現すると、

  • どのくらいの力を発揮できるのか
  • どのくらいの持久力(スタミナ)があるのか
  • どのくらいの速さ・スピードで動けるのか
  • 自由自在に身体を動かせるのか
  • 身体は柔らかいのか

こういった身体にまつわる要素のことを指しているのが、身体的コンディショニングの部分です。

このバイオモーターアビリティについては、後程さらに細分化して解説していきますね。

②精神的

精神的というのは、いわゆるメンタル・精神面のことを指しています。

例えば、

  • 身体的なレベルは高いのに、緊張しやすく緊迫した場面で萎縮する
  • 練習では高いパフォーマンスを発揮するが、試合で緊張すれば全く結果が出ない
  • 細かいことを気にしすぎて、本来の力が出せない
  • 考え方が未熟で、練習をサボってしまう

など、精神的な部分がパフォーマンスに影響を与えることは容易に想像できます。

こういったメンタル面もコンディショニングの一部であり、身体的な要素などと合わせて向上させていく必要があります。

このメンタルトレーニングについては、国立スポーツ科学センターがHPで紹介しているので、こちらを参考にしてみてください。

メンタルトレーニング技法の紹介:国立スポーツ科学センター

③防衛的

防衛的(ぼうえいてき)とは、いわゆる免疫機能のことを指しています。

例えば、

  • 気温が下がってくるとすぐに風邪を引く
  • 合宿など、環境が変われば体調を崩しやすい
  • 食事が変われば、下痢やお腹の不調が出る など

内臓や自律神経など、免疫部分に関する要素です。

プロスポーツ選手になれば、海外への遠征や地元から離れたところに行くことはよくあることだと思います。

そんなときに、お腹を壊したり風邪を引いてしまえば、試合でベストパフォーマンスを発揮することは難しい。

こういった免疫などの要素もコンディショニングの一要素に含まれています。

④栄養

栄養という要素は、

  • 炭水化物
  • たんぱく質
  • 脂質
  • ビタミン
  • ミネラル など

のことで、想像しやすいと思います。

練習やトレーニングをハードに行った。だけど、食事を疎かにして、栄養不足。そんな状態であれば疲労回復もできないですし、筋肉もつかない。

こういう状態が続けば、次第にパフォーマンスも低下してしまう。このように、栄養面もコンディショニングに大きく関わっています。

⑤休養

最後の要素は休養です。

これは、

  • 睡眠
  • 体を休める
  • 筋肉をほぐす など

も含まれ、練習やトレーニングで身体をハードに使った後、身体を休めることもコンディショニングの1つになるということです。

睡眠というのは、

  • 脳の中の情報を整理する
  • 不足した栄養を細胞などに補う
  • 筋肉の活動を低下させ緩める

などの効果があると言われていますが、夜更かしをすることで疲労が残り、ケガをしやすくなってしまう。

ですので、この休養もパフォーマンスアップする上では重要になりますが、現場感覚で言えば、少し軽視されがちな要素でもありますね。

このように、コンディショニングの本質は、

  • 身体的
  • 精神的
  • 防衛的
  • 栄養
  • 休養

という5つの柱のことであり、どれ1つ欠けることなく整えること、向上させていくことがパフォーマンスアップにつながるということです。

 

身体的コンディショニングトレーニングの内容

次は、身体的コンディショニングのみにフォーカスしてお伝えします。

身体的コンディショニングというのは主に、

  1. 筋力
  2. 持久力
  3. スピード
  4. 調整力
  5. 柔軟性

など、これも5つの柱によって構成されています。

①筋力

筋力とは文字通り、

筋肉が発揮する力

という意味ですが、どのようなスポーツをする上でもある程度筋力を高めることが必要です。

筋力を高めるためには、

筋肉の断面積を大きくする=筋肉をつける

ということが重要になりますが、筋肉をつけるためには、

  • 強度
  • 回数・セット数
  • 休息時間
  • 頻度
  • 期間

などを適切に設定する必要があります。

この辺りの詳しいことは別の記事で解説しますが、筋力を高めるために行うトレーニングはさまざま。

  • レジスタンストレーニング
  • ウエイトトレーニング
  • ダンベルトレーニング
  • チューブトレーニング
  • 加圧トレーニング
  • スロートレーニング

ざっと思いつく方法だけでもこれだけありますが、こういったさまざまな方法を活用して筋肉を肥大させて筋力を向上させる。

この筋力は一番イメージしやすい要素かもしれませんね。

②持久力

ここでいう持久力は、

いわゆるスタミナであり、走っても疲れづらいという要素

になります。

別の言い方であれば、

心肺持久力=心臓と肺の持久力

ともいいます。

サッカーやラグビーなど、競技特性として走り回る中でプレーを継続しますよね。

持久力レベルが低い選手は、試合の後半などで運動量が落ちてしまい、いくら筋力が高く相手の脅威になっていたとしてもあまり意味がなくなってしまう。

このように持久力も、高いパフォーマンスを維持するためには重要な要素になってきます。

③スピード

スピードというのは、大きく分けると2つの意味があります。その2つというのは、

  • 速さ
  • スピード

などです。

それぞれの違いは、以下のような内容になります。

速さ ・変えられない要素
・筋線維のタイプのことを指している
スピード ・変えられる要素
・動作、動きのことを指している

例えば、100mを10秒切るぐらいのスピードで走ろうと思うと、ここには先天的に決まる筋線維のタイプが大きく関わります。

筋肉には白筋(速筋)と赤筋(遅筋)と言われる2種類のタイプがあり、100mを10秒切ろうと思うと、このタイプが9:1と白筋に偏っていることが必要です。

筋線維のタイプは後天的に変えることができない。つまり、

速さというのは、筋線維のことを指しており、変えることができない要素

になるわけです。

ただ、100mを10秒を切れなくても、今よりも少しでも速く走ることは可能です。どうすればいいのかというと、動作・動きを変えること。

走るフォームが硬い場合、タイムロスがうまれ遅くなってしまいますが、こういう動作をスムーズに変えるとタイムが上がります。

つまり、

スピード=動作や動きのことを指しており、変えることができる要素

になります。

少し複雑に聞こえたかもしれませんが、こういった2つの要素を指しているのがスピードになります。

スポーツに関わっている方は、このスピードを向上させることの重要性も理解しやすいと思います。

④調整力

調整力という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、英語に言い換えると、コーディネ―ション【coordination】です。

こちらの方が聞いたことがあるかもしれませんが、

調整力とは、身体を自由自在に動かす能力

のことを指します。

この能力に優れている代表的な選手は、元シアトルマリナーズのイチロー選手ですよね。

バットを自由自在にコントロールでき、思い通りのところにボールをはじき返すことができる。この調整力も2つの意味があります。

  • コーディネ―ション
  • コオーディネ―ション

1文字違いですが、意味は大きく異なります。

簡単に解説すると、

コーディネーション ・1つの動作パターンを習得する
・できる→できる→できるステップを踏む
コオーディネーション ・予期しない動きを経験させる
・できない、難しいことを経験させるだけでOK

などになります。

身体を自由自在に動かすためにはトレーニングも必要ですが、この能力はスキルに直結するため、パフォーマンスアップには非常に重要な要素です。

調整力に関しては、別の記事で詳しく解説するので、こちらの記事も参考にしてみてください。

⑤柔軟性

そして最後の柔軟性は、

いわゆる身体の柔らかさ、動きのなめらかさ

のことです。

この柔軟性には、

  • 静的
  • 動的

2種類あります。

静的柔軟性というのは、静止状態でどれだけ身体が柔らかいかという要素です。

前屈がよくできる=静的柔軟性が高いとなります。

ストレッチング

動的柔軟性というのは、動きがいかに柔らかいか、なめらかかを見る要素です。

例えば、こういう投球動作を行ったとき、腕の動きが柔らかいとなれば動的柔軟性が高いと評価されます。

スポーツ選手の場合、静的柔軟性は最低限確保できていればOKだと考えていますが、

動的柔軟性はパフォーマンスに直結するので高めておくことが重要

です。この柔軟性の理解もパフォーマンスを向上させる要素の1つですね。

このように、身体的コンディショニングだけを見てもこれだけの要素がありますし、ここでは解説していない、

の要素も身体的にコンディショニングの中に含まれます。

ここまでご覧いただいた方は、一般的に言われるコンディショニングとは違った意味があることを理解していただけたと思います。

これがコンディショニング・身体的コンディショニングの本来の意味・本質となります。

 

コンディショニングトレーニングの注意点

ここまでコンディショニングについて解説しましたが、次は、コンディショニングトレーニングを行うときの注意点を解説します。

全てバランスよく向上させる

コンディショニングトレーニングを行うときに必ずおさえておくべきことは、

全ての要素を同じレベルに高める、向上させることが重要

だということ。

木で作られた風呂桶をイメージするとわかりやすいですが、どこか1枚の板が極端に小さいと、その小さい木に合わせた高さまでしかお湯をくめなくなる。

これと同じで、コンディショニングも何か1つの要素が小さいと、そこに全体が引っ張られてしまう。

コンディショニングの要素

コンディショニングトレーニングのポイントは、全ての要素を整えること。

コンディショニングの要素を揃える

そして、全体が整いつつ各要素がより高いレベルに達していること。これがコンディショニングトレーニングの中で重要になります。

現代は、特に筋力やスピードに偏りがちですが、大切なことは全ての能力を向上させることですね。

競技によって必要な要素は変わる

例えば、

  • サッカー
  • 野球

この2つの競技を比べると、以下のような違いがあります。

サッカー ・90分間走り回る持久力が必要
・10~50mなどで一気に加速するスピード
・大きな力を発揮することはそこまでない
野球 ・1回しっかりとバットをすれればOK
・投手の場合、ボールを多く投げる筋持久力が必要
・走り回る持久力はそこまで必要ではない

簡単な比較ではありますが、こういった違いがあるわけです。

例えば、持久力のトレーニングをしようと思うと、競技に合わせた持久力トレーニングをする必要があります。

  • サッカー
    →30m前後のインターバル走
  • 野球
    →5分間走など

サッカーの場合、30m前後の距離を走って止まるようなインターバル形式の動きがメインとなりますが、野球は違います。

野球の場合、試合ではそこまで持久力を必要とせず、イメージとしては練習をより長くこなせるスタミナの養成がメインとなります。

つまり、持久力が向上できればいいので、インターバルではなく5分間走や1500mなどでOKというわけです。

このように、コンディショニングトレーニングを行う際は、競技特性も考慮してトレーニングを行う必要があります。

木を見て森を見ず

最後は、コンディショニング要素をバランスよく向上させるという意味と被りますが、どうしてもスポーツ選手は、

  • 筋力トレーニング
  • スピードトレーニング
  • バランストレーニング など

すぐに成果につながりそうな派手なトレーニングを好みます。

逆に柔軟性などの要素は、あまり積極的にやらず、疎かにしてしまう傾向にあると思います。

コンディショニングは、一要素のトレーニングだけでは足りないですし、身体のことだけでも足りません。

  • 身体的
  • 精神的
  • 防衛的
  • 栄養
  • 休養

全ての面を改善し、向上させることに意味があります。どうしても木ばかりを見てしまい、精神面・防衛面を忘れてしまうようなことが起こりがち。

全体のトレーニングが必要だということを、改めておさえておくことが重要ですね。

このように、コンディショニングという意味は上記でお伝えした内容となり、体調のことだけを指しているのではないということが理解していただくと嬉しく思います。

 

まとめ

今回は、コンディショニングの意味や本質について解説しました。

今回の記事のまとめ

  • コンディショニングとは、その日の体調のことも指す
  • ただ本質は、5つの体力要素のことを指している
  • コンディショニングは、パフォーマンス向上の基盤になる
  • 練習だけでは頭打ちが早くくる
  • コンディショニングトレーニングは、全ての要素する必要がある
  • 競技によって体力要素は異なる

こういった内容をお伝えしました。

今回の内容が少しでも参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

無料体験・相談を随時受付中!


できるだけ記事でお悩みを改善できるようにお伝えしていますが、もしご自分で改善が難しい場合は、お気軽にIzuruStyleにご相談ください。無料体験も随時受け付けています。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*